ルーファウス様はそれを振り払ってお顔を伏せる。


 掌で涙を拭い、気丈な言葉を綴ろうとなさるけれど、そのお声はとぎれがちだ。

 ああ、私のルーファウス様はこんなにも優しく傷つきやすい方なのだ。


「私がお守りします。ルーファウス様。
誰であろうと、あなたを傷つけるものは許さない。
いつでもお側におります。なんでもしてさし上げます。
ええ、もちろん夜のお相手も」

 涙の味がするであろうその濡れた唇に触れようと――

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